「しおり」をつくってみる | 日々考察コラム

2016.03.25

 
 
将来に「絶対」はありませんので、未来のことについては「答え」ではなく「予想」で我慢するしかありませんが、精度の高い調査に基づいた理由のある予想であれば、経営者としては成功への「案内」の一つとして無視するわけにはいきません。
 
2016年3月20日発行の日経ヴェリタスでは、「『消費大国』中国の試練」として、「軟着陸への光明を探る」特集が設けてありました。
 
「工場や設備をつくりすぎた反動の調整が長引くとみられている」実質成長率の伸びの低下や、それを原因とする「余剰人員」に対応するなどの「構造調整の痛み」が出るなかで、「旺盛な消費意欲を持つ中間層の台頭」に注目したり、「消費拡大の予備軍」として「農民6億人の消費をこれから掘り起こ」せる潜在力を確信したりすることが、期待できる要素として挙げられています。
 
私たち経営者にとっても、自社における「試練」に立ち向かうためには、その状態から抜け出すための対策や打開案が必要となるでしょう。
 
しかし、「試練」の原因となった「失敗」や「不十分さ」を的確に分析し把握しなければ、「光明」を見つけることはできません。
 
「試練」が始まらざるを得なかった「時点」で立ち止まることなく、その都度適切な対策が示されている「案内書」に従ってさらなる成長や理念達成という成功に向かっていくことが、連続した「経営」による社会への役割と考えられます。
 
肝心なことが書かれていなかったり、間違った理由から導き出されたことが書かれていたりする「案内書」に従って、成功とは別の場所に着いてしまうことのないよう、自分に不可欠な「栞」への信頼の根拠は揺るぎないものを持っていたいものです。